(気まぐれっぽい)Queen
あれから、一時間後…。
葵くんは、私の隣に座っている。なんでも、向かい合わせじゃ教えづらいからだとか。
「ねー、葵くん。ここはどうやるの?」
「あ?そこはだなぁ…」
近い。近すぎる。
少し、心臓がドキドキしている。
「…だ。分かったか?」
「ほぇ。…あ、ごめんね。もう一回…」
「ったく。ちゃんと聞いてろよ?ここはだなぁ…」
今度は、ちゃんと勉強の方に集中した。だって、葵くん怒ると怖いもん。
また分からないところがあったから、葵くんに教えて貰っている。
あ、ヤバイ…。
そう思った時には既に遅し。
「グキュルルルル」
お腹が鳴っていた。
「ぶハッ。もしかして萌花、お腹すいてたのかよ?」
「…うん」
うわー、最悪最悪最悪!穴があったら入りたい。
「じゃあ、ご飯食べるか」
葵くんは微笑みながら言った。
萌花side _END_