(気まぐれっぽい)Queen
我武者羅に走ったあたし。公園が見えてきたから、ひとまず入ってみた。
夜の公園は、人気がなく、お化けとかが出てきそうで怖かった。近くにあったベンチに座り、うずくまる。
「なに……やってんだろ」
ひとりで勝手に怒って、悲しんで、終いには家出までしちゃって。
ポロポロと涙が出てくる。
「うっ……、ふぅっ……」
「どうして、泣いてんだ?」
声が、聞こえた。思わず顔を上げる。
そこには私と同い歳ぐらいの男の子がいた。
「なあ、どうして泣いてんだ?」
もう一度、彼は言ってきてあたしの隣に座った。
「お、母さんに、八つ当たりしちゃった……」
「なんでだ?」
「見様見真似で関西弁で喋ってたら、友達に拒絶、されて……。モヤモヤした気持ちをお母さんに……」
初対面の人なのに、今までのことを喋ってしまった。不思議だけど、この人にならしゃべっても平気、と思ってしまった。
「そりゃあ、友達が悪ぃな。けど、なんで関西弁で喋ろうと思ったんだ?」
「アニメの、キャラクターに憧れてて、まずは形から真似ようと思って……」
「へー、ちなみに何のキャラクター?」