方言溺愛おにーさん。




「ごめん弓場。



下駄無くした上に

浴衣ボロボロにしてもーて…。」


「浴衣のことはいいよ。

でも急にいなくなるからびっくりした。」


「あぁ、それは大丈夫や!

私がはじき返したからな!」


「ふふっ…

坂町さんはたくましいなあ。」


「男に言われると複雑やな…」


「この浴衣さ、

おばあちゃんが作ったやつなんだ。」


「ええええ!?

ご、ごめん!ほんまごめん!!」


「いいんだよ。

着てくれただけで嬉しかった。」


「でも…」


「必要としてくれて嬉しかった。

本当にありがとう。」


「弓場……」








「おばあちゃんさ、


もう浴衣作れないんだ。」


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