方言溺愛おにーさん。
「な……」
「うつ病と別の大きな病気
抱えて入院してるんだ。
小さい時からお母さんより
面倒を見てくれててさ…。
お父さんが小さい頃死んで
今ではお母さんがおばあちゃんの
治療費のために会社で働きづめで。
家には誰も帰ってこないんだ……。
おばあちゃんは多分
僕のこと、覚えてないし、
それに、この傷……」
「!?」
弓場の背中に大きな傷跡が残っていた。
「お父さんが死んだ時、
お母さんにガラス瓶で毎日殴られててさ。
あぁ、僕は愛されてないんだなぁって。」
「……。」
「だから僕、臆病なんだ。
おばあちゃんに僕を覚えてるかも聞けない
お母さんに僕を愛しているのかも聞けない
本当に臆病なんだ……
坂町さんなら…聞ける…?」
私なら……?
「聞くよ。」