今日は来る
その時先生が入ってきた。




「大坂さん、サインをしていただいて
ありがとうございます・・・。」




先生は頭を下げた。




お父さん達は、
座ったままほんの少しだけ
頭を下げた。




「未瑠ちゃんも、
サインをしてくれないかな?」




私に近寄って来た。




「何で、サインをするの?」




「未瑠ちゃんを助ける為だよ。」




「じゃあ何で前の手術で
助けてくれなかったの?」




「それは・・・」




先生は口ごもった。




「それは本当にごめんなさい。
でも、今サインしないと
直に未瑠ちゃんが
死んでしまうんだよ?
手遅れになってしまったら・・・!」




「抗癌剤使う時点で、
もう手遅れでしょ?」




先生は何も言えなかった。




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