愛して。Ⅲ
「うおっ、セーフ!」
そう言って隼は、こっちに向けてピースをする。
「何やってんだ?あいつ」
あたしと蓮のそばにいる国沢大河が呆れたように笑う。
大河も獅龍の幹部。女好きで有名だったけど、あたしの親友である西城菜穂と昔喧嘩別れしたのが原因だったみたい。
今はまた菜穂と付き合い始めて丸くなった。
「ガキだな」
そう言って大河はクールぶっているけど、溜まり場である倉庫の前にある大きな水たまりが凍った時、獅龍のメンバーと小学生みたいにスケートの真似事をしていたのをあたしは知ってる。
それで転びかけていたのも。