光か陰か
その人物はポニーテールの少女だった。

別に気になったのはそこじゃ無い。

その少女の美しい瞳だった。

僕はこんなに人の事を気にした事はなかった。

これは一目惚れなのだろうか。

少女は僕の戸惑いを知ってか知らずか、話しかけて来た。

「あ、急にごめんね!北野君だよね?私3組の稲本那月っていうんだけとさ、こないだごめんね!ぶつかったのに無視して行っちゃって。」

(とりあえず話は合わせておくか。)

営業スマイルを作るつもりだったのに、自然と笑みがこぼれた。

「大丈夫だよ、それより稲本さん?こそ大丈夫だった?」

「あ、うん大丈夫だよ。あの時ね・・・

稲本さんは話し続けた。

僕は普段はこんなの面倒くさいと思うのに、今回は不思議と聞いてあげたくなった。
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