ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
目の前にやってきたのは、あたしと同じ年くらいの男の子だった。
短めの黒い髪、たぶん背はあたしよりも少し高いくらいで、紺色の半袖シャツに白いハーフパンツ姿の男の子。
『……え?なんで泣いてんの?』
あたしの泣き顔がよっぽど酷かったのか、少し引いた表情であたしの様子を見つめる男の子。
『ふぇぇ~ん……迷子になっちゃったぁ~』
あたしは座り込んだまま、泣きながら話す。
『グスンッ……ひっく……うぅ……ソフトクリームも落としちゃったぁ……』
『……お、おぉ。どんまい』
男の子は、苦笑いで答える。
『血が出たのぉ……うぇぇ~ん……』
涙が一気に溢れだして、自分では抑えられなかった。
ひとりぼっちで心細くなったときに、この男の子が現れたからかもしれない。
あたしは安心したのか、涙が止まらなかった。
『大丈夫か?泣くなって……』
『ひっく……ひっく……』
あたしは手で目元をこすりながら、涙を必死に拭う。
『とりあえず、えっと……がんばれよ』
『ま、待って!ウソでしょ!?置いてかないでっ』
『……ふっ』
その男の子はあきれたように笑い、あたしの目の前に立った。
『しょーがねぇなっ』
男の子は、白い歯を見せて、ニコッと笑った。
太陽に照らされて、キラキラとしたまぶしい笑顔。
男の子はクルッと後ろを向き、あたしに背を向けてしゃがみこんだ。
『おぶってやるよ』