ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]


「なぁ、風梨。なんか食べて帰る?」



「……ううん。今日はまっすぐ帰る」



「そっか。わかった」



帰り道の途中、分かれ道。



ここで夏樹の家と、私の家の方向は、道が分かれる。



帰りはいつも、私の家の前まで送ってくれる夏樹だけど、



私が自分で気づいたときにはもう、口から言葉を発してしまっていた。



「ねぇ、夏樹。今日はここでいいよ」



少し冷たい言い方も、私はわざとそうしてるんだろうか。



「え?なんで?」



いつもと違う私に気づいて欲しくて。



「ケガもしてるし、早く帰って、ゆっくり休んで」



それでも、夏樹を思いやるような言葉を口にして。



ホント……最低だ、私。
< 129 / 172 >

この作品をシェア

pagetop