ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
男の子は出口に辿りつくまで、あたしをおぶったまま歩いてくれた。
出口のそばでは、パパとママが心配そうにあたしの帰りを待っていた。
『パパー、ママー!』
男の子におぶられたまま、あたしは右手で大きく手を振る。
『彩葉っ!もぉ、遅いから心配してたのよ……なにがあったの?その子は……?』
そう言ってママが男の子の顔を見つめる。
あたしは男の子の背中から下りて、パパとママに向かってペロッと舌を出した。
『途中で転んじゃって、この子が通りかかって助けてくれたの』
『あら、そうだったのね。本当にありがとう』
ママが男の子に笑いかけると、男の子は首を振って答えた。
『いえ、別に』