ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
そのとき、後ろのほうから男の子の声が聞こえた。
誰もいないと思ってたのに、後ろに人いたんだ。
何もない場所で、こんなに思いっきり転ぶなんて。
もぉー恥ずかしすぎて、顔を上げられない。
このまま寝たフリ……いや、意識を失ったフリでもしようか。
「大丈夫か?」
聞こえないフリしてみよう。
お願いだから、そのまま通り過ぎてください。
「おーい?もしもーし」
足音がそばで止まり、男の子はあたしに呼びかける。
お願いだから……あたしのことは無視してよ。
恥ずかしいから、早く行って……。
声が聞こえなくなって、あたしはゆっくりと顔をあげる。
あたしの目の前に差し出された、大きな手。
「起き上がれる?」
ガクッと顔を下に向けた。
……まだ行ってなかったんだ。
恥ずかしい。
あたしは苦笑いで、手を差し出してくれた男の子の姿を見た。