ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]



男の子が来ていた制服で、同じ高校の人だとすぐにわかった。



「あ、ありがと……」



差し出してくれた手を掴んだあたしは、その手を強く握りしめて、ゆっくりと立ち上がった。



「ケガしてない?」



「へへっ。うん」



「そっか、よかった。音楽聴きながら歩いてたら、いきなり前のほうで倒れたからさ。マジでびっくりしたよ」



そう言って男の子は、白い歯をニッと見せて満面の笑みを浮かべる。



「自分でもびっくり……へへっ。昔からよく転ぶもんで……」
< 22 / 172 >

この作品をシェア

pagetop