ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
「夏樹くん……ていうんだ?」
「あー、みんな呼び捨てだから。夏樹でいーよ」
いま目の前にいる夏樹くんが、あの時の“ナツキくん”ではないと。
わかっているのに。
それでも同じ名前の男の子には。
ナツキくんという男の子には。
あれから一度も出逢わなかったから。
思いがけない出来事に、つい動揺してしまった。
「どした?俺の顔になんかついてる?」
「え?ううんっ。じゃあ夏樹って呼ぶね。えっと、あたしは五十嵐彩葉」
あたしが自分の名前を言うと、彼はニコッと笑う。