ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
「明日の持ち物を黒板に書くからな。忘れ物しないように」
先生がチョークで黒板に字を書いていく。
開け放たれた教室の窓からは、柔らかい春の風が入ってくる。
あたしの肩下まである茶色い髪が、サラサラと風に揺れる。
窓のほうへと、何気なく顔を左側に向けると、
あたしの瞳に映ったのは、隣の席に座っている男の子。
左手で頬杖をつきながら前の黒板を見つめる彼の横顔は、陽の光の中で眩しく見えた。
その瞬間。
――トクンッ。
あたしの小さな胸の音が、聞こえたような気がした。