ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
隣の席の男の子。
まだ名前も知らない男の子。
あたしは彼の横顔を見つめた。
無造作で束間のある黒い髪が、爽やかな印象を与えた。
色白な肌、細身の体。
彼は視力があまりよくないのか、黒板を見えにくそうに目を細めたあと、黒ぶちのメガネをかけた。
黒板の文字を書き終えると、彼はメガネを外し、それを机の上に置いた。
あたしの視線に気づいたのか、彼が不意にあたしのほうへ顔を向ける。
黒ぶちメガネ姿も素敵だけど、メガネを外した彼はクリッとした目をしていて。
なんだろう……犬。
そう、犬のような可愛さがある顔立ちだ。
視線がぶつかった彼に対して、あたしはニコッと笑って見せる。
「へへっ」
だけど彼は、顔の表情を少しも変えることなく、すぐにプイッとあたしから顔を背けた。
……思いっきり、無視された。
犬みたいな可愛い顔してるのに、性格はクールなのかな?
でも、まぁ。
少しずつ仲良くなれるよね……?