ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
「あ、そう。じゃ……」
そう小さな声で冷たく言い放った陸斗くんは、あたしの横を通り過ぎていく。
「また明日ねっ!バイバイっ」
あたしは少し大きめな声で、陸斗くんの背中に向かって言った。
彼は振り返ることもなく、返事をすることもなく、そのまま教室を出ていった。
でも、やっと話してくれた。
ほんの一言だけど、声が聞けた。
明日には、今日よりも少し仲良くなれるといいな……。
「彩葉っ」
そう声が後ろから聞こえたと同時に、背中に軽くカバンをぶつけられた。
そこに立っていたのは、満面の笑みを浮かべた夏樹。