ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]



「何のシャンプー使ってんの?」



夏樹が真顔であたしに聞いてくる。



「え?何?シャンプー?てか、あたしの匂い勝手に嗅がないでよ」



「いや、いまめっちゃいい匂いしたから……つい」



つい……嗅がないでよっ。



「別に普通のそこら辺で売ってるシャンプーだけど」



「ふ~ん。教えない気か~。小悪魔だな~」



夏樹は、教室を出た前の廊下で、クラスの男子たちとじゃれ合い始める。



夏樹を見つめるあたしは、小さくつぶやいた。



「……どっちが小悪魔よ?」



いきなり夏樹の顔が近くにあったから、びっくりしたじゃん。
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