ひまわりの約束ー君だけを、ずっと。[完]
『あたしが迷路に行ってる間、ふたりでデート気分でも味わって?』
最近、ふたりきりでデートなんてしてないだろうし。
『こんなにパパママ想いの娘なんて、なかなかいないよー?』
『ホント、口だけは達者なんだから。彩葉は』
少し顔を赤くして照れているパパと、笑顔がこぼれるママ。
『そんじゃ、いってくるね。あっ!人前でキスだけはしないよーにっ』
舌を出して、イタズラっぽい笑顔を見せたあたしは、ふたりをその場に残して走り出した。
『し、しないわよっ!』
ママの慌てたような声が後ろから聞こえた。
あたしは思い出したように立ち止まって、ふたりの前に戻っていく。
あたしはニッコリと笑って、ママの顔の前に自分の手のひらを出した。
『なによ?』
『ソフトクリーム食べたいな~って』
『ったく。彩葉は……』
『ふふっ。やったぁ~』
ママに300円をもらって、あたしはパパとママに手を振りながらカフェを出た。