あの日の雪を溶かすように
アリスは水の入っていた容器を片付けようとしたが、
痛烈な胸の痛みに襲われてそれどころではなかった。

「ゴホッ!ゴホッ!」

んん。

痛い。痛い。痛ぇ。くるしぃって…

「ゴホッ!ンッ…ゲホッ!カッハ、ンン…」

はぁ。はぁー…

…ふぅー。

カタンッ。

床に落ちた容器を拾うとアリスはとにかくその中に水を入れて
一気に飲み干した。

それから、少しだけ 吐いた。


なんだよ…。


自分がひどく情けなくなってきて、
少しだけ 泣きそうにもなった。

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