あの日の雪を溶かすように
「…ごめん。やっぱ止めとくわ。」
アリスは電話を切ろうとしたが、電話の向こうからの必死な声が
彼女の腕を止めた。

「ッちょっと待て!待って!ダメダメ!
切らないでッ。
何かあったから電話してきたんだろ!?」

アリスは小さくため息をついた。

「なんでも無いんだ。ホントに、なんでも無いんだけど、
…何ていうか、声が聞きたかったみたいな…!」
そこでアリスは我に帰った。

なんてこと言ってんだ、私。

< 117 / 313 >

この作品をシェア

pagetop