あの日の雪を溶かすように
「やっぱ送るよ。」
後ろからシュウの声がした。

いいって 言ってんのに…うっとうしい奴。

アリスは背中を向けたまま手を振った。
と、同時にバランスを崩してしまい壁にぶつかり、そのまま倒れ込んだ。

バタンッ

「ハハっ!何やってんだよ。超ダセーよ。今の。マジ受ける。」
「…」


「…なぁ、アリス?」
「…」

「…オイ…」

シュウはその光景を見て、初め笑っていたが、アリスの反応が無いのに気付くと顔色を変えた。
「!アリスッ!!」
シュウは跨がっていたバイクを脇に停めて、急ぎアリスに駆け寄った。

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