あの日の雪を溶かすように

「…わかった。悪かったよ。
もう、帰るわ。」

振り返ったシュウはバイクにゆっくりと またがりながら小さく呟いた。
アリスは顔を上げていたが、決まり悪そうに、ただじっと地面を見つめ、肩で息をしていた。
「…」

「…じゃ、あの…気をつけてな。
……。」

「…」

ブゥゥ…

「…」


アリスの家は、ここから歩いて、3分ほどで着く。


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