あの日の雪を溶かすように
アリスは思いたったように立ち上がると、狭い隙間に転がり込んだテレビのリモコンの電池を取ろうとした。

必死に手を伸ばすが、決して届かない。
アリスは水浸しの地面にへばり付く。

届かない。 いくら伸ばしても、届くことは無い。

涙が溢れて来た。


自分のしていること カッコ悪いこと わかっているのに


それに どうしようもなく すがる自分に


地べたに頬を付けた自分に


死ぬことが 怖くて たまらない自分に


涙が溢れて もう


どうしようもなかった



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