あの日の雪を溶かすように
「その…後ろから、様子ヘンだったし…」

「……」

シュウが ゆっくり顔を上げて、初めて全身水浸しのアリスに気付いた。

「…アリス!?」

「…シュウ…」

アリスは すがるようにしてシュウの胸に額を当てた。

「…アリ…ス
…どう…したんだよ…」


そっと肩に手を添える。小刻みな震えは、きっと水を被った寒さのせいじゃない。




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