あの日の雪を溶かすように

「……シュウ…助けて………」

ほとんど聞き取れない程かすれた声で、アリスが 呟いた。


「え…?」


「助けて…すごく怖い…
私…」


「アリス…?」


「私…きっともうすぐ…死ぬ……それが…
すごく怖い…。」

「な…に言ってんだよ…?
お前らしくないんじゃねぇの?
…付き合い長くもねぇから…わかんねぇけど…ホラ、風邪ひくから、中入って。ビショビショじゃん。ホラ…」

アリスは動こうとしなかった。


「強がってた…死ぬのなんか…怖く無いって…
生きてても…私なんか…意味無いって…」


「…どうしたんだよ…」


「私…病気なの…
…毎日、胸が痛くって…
朝は…呼吸、苦しくって…
私、もう…
きっと死ぬ…
…怖いよ…
ホントは、すごく怖い…怖くて、たまらないよ…」


「……アリス…」




少し力強く シュウはアリスの肩を抱いた



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