あの日の雪を溶かすように
部屋の中もビショビショに濡れていたので、ひとまずシュウはアリスをベッドに寝かせた。


それから、雑巾らしいもので床の水を吸い取る。
作業中、チラッと横目でアリスを見たシュウは、
さっきの彼女の話を思い出していた。

死ぬ、だって?

嘘に決まってるよな。大体、病気だったら、とうに入院してんだろ。…
でも、普通、あんな芝居するか? 俺に? 何で?

…気を、引く為…?
… 短い付き合いだけど、わかるな。
それだけは、絶対、無い。

じゃあ、何で…

やばいな。
アイツの話、…
多分、ホントなんじゃ…



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