あの日の雪を溶かすように


「…馬鹿じゃねぇの?」

「…?」

口で荒く息をするアリスが、シュウの突然の呟きに顔を上げた。



「…いつからだよ?分かってたのは?」

「……あぁ、あの…
さっきの話のコト言ってんの?…ァハハ、あれ、嘘だよ。冗談だって。」
シュウが手を止めてアリスの方に振り返る。

「いや、部屋ぁ水浸しになっちゃったから、掃除してもらおうと思ってさ…」

「…」

「…だから…病気とか…」

「…」

「全部、嘘だから…」

「…」

「…全部。」


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