あの日の雪を溶かすように
次にシュウはアリスの手を取った。
「!」
困惑するアリスをよそに、シュウはまじまじと彼女の手を眺める。
「…何、してんの…?」
「…指、細すぎる…
爪も、ヒビが酷い…」
「何…」
スッとシュウがアリスの顔を覗く。
「…化粧してても分かるくらいに…クマが深い…
涙の跡もある…」
…何…
「…眼が、充血してる。少し泣いたくらいじゃ…こんなに酷くはならない…」
…
「頬、こけてる…ダイエットとか、そんなレベルじゃねぇよ…
さっきから、肩が小刻みに震えてる…」
「…なぁ、教えてくれ。病院に、行ってねぇのか?」
さっきと同じ様に、アリスは小さく、小さく頷いた。