あの日の雪を溶かすように
「…アリス?ぁあ、起きた?」
ムクリとシュウが起き上がる。
「…ぉッ …… …!?」
「…どぉした?恐い夢でも見たのか?」
そっとアリスの頭に手を伸ばしたシュウだったが、勢い良くアリスに弾かれた。
「いてっ!ぁにすんだよッ!?」
手を降りながらシュウは身を少し後退させる。
「…何…何、したの…?私…たち、何…」
アリスが怯える様に両手で自分の肩を抱きながら、恐る恐るシュウに聞いた。
「…は?
は!?おま…覚えてないとか言うなよッ!!
俺だって何度も確認…」
「待って!やめて。わかってるから…やめて。」
アリスが布団に顔を うずめながら シュウを制止した。
「…ごめん。ホントは、微妙に覚えてる。ごめん。でも…」
「…」
「…ごめん。今すぐ、帰って。ごめんなさい…」
シュウは ただ黙ってアリスの家を後にした。