あの日の雪を溶かすように
電話機のコードを繋ぐと、葵から随分前に着信があったのがわかった。
かけ直そうとしたアリスだったが、電話が繋がる直前で切ると、
一日前まで水浸しだった床に座り込んだ。
何してんだろうな、私。
もう ワケがわからないよ。
死なれたり 好きになったり
裏切られたり 死にたかったり
轢かれたり 助けられたり
癒されたり 勘違いされたり
立ち向かったり 怖がったり
救われたり
抱かれたり…
でも なんでかな
悪い気分じゃない
それに、 いつにも増して思う。
私は まだ 死んでない。
そうだ 死ぬのは止めよう。どうせなら…
ギリギリまで
生きてみよう。