あの日の雪を溶かすように
あの事件から中学生になるまでは、アリスは祖母と祖父に育てられていたが、
それ以降は完全に一人暮らしをしている。
あの事件は、アリスを良くない方向へと向かわせた。

「来月が、クリスマスか・・・」

アリスはため息交じりにそう言うと、
掛けていたコートを羽織って、バイト場所のコンビニへと足早に向かった。
アリスは自分から人に話しかけることをしない為、友達が少ない。
そのせいもあってか、この時点でアリスが固く心に決めたことを、

誰も知りはしなかった。

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