あの日の雪を溶かすように
「やって、ない…って?」
「エイチ。を。」
「…!……そ、か。うん。そう…だよ、ね。」
アリスは動揺を隠せなかった。と、同時にアリスは恥ずかしくて仕方がなかった。
シュウの言っていることが本当なら、一体…やったつもりになっていた私は…なんだったんだろう。
「…そういう空気になりつつ…なんか そんな空気じゃなかったからさ。
誤解してるかもと思って電話した。
…その…病院、俺が口出すことじゃないかもしんないけど…俺は行ってほしいって思ってる。
なんか、遅くにごめんな。…じゃ。」
「待って!」
シュウが電話を切る直前に、アリスは少し大きな声で呼び止めた。
「?どした?」
「…ありがとね。」
「…!?」
アリスの口から出たそれは、昨日の出来事と同じくらい、シュウにとっては意外だった。