あの日の雪を溶かすように


「…そっか。
…だよね。うん。」


「…私は、先輩と違って、家族がまだいます。」


「…!?」
葵がボソボソと口を開き始めた。


「…私には、先輩と違って、友達も、他にたくさんいます!」

「…葵?」
徐々に葵の言葉に力が入り始めたが、何故だろう。アリスには、葵が とてつもなく、必死に見えた。


「…私は、先輩と違って、もうすぐワケわかんない病気で死んだりなんかしません!!」


「…」


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