あの日の雪を溶かすように


ありがとう。ごめんな。


声にならない感謝と
声にならない罪悪感で
アリスの胸は一杯だった。



泣きじゃくる葵を
もう少し力強く抱きしめて、
その暖かさを感じ、
自分が生きていることをそっと確かめた。


ありがとう。ごめんな。


無くしてから初めて気付くって言う。
大切なモノは。

でも、私はココにいる。
葵もココにいる。


私たちは、まだ生きている。


無くす前に気付けたんだから、
私は、幸せだね。




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