あの日の雪を溶かすように



「葵…?葵ッ!?」


瞬間、
アリスは葵に
飛び付こうとしたが、
交差した両手は
ただ虚しく空を切るだけだった。



「葵ッ!!」


意識したわけではないが、
なんとなく、アリスは
上を見上げた。

天井の一部が無くなって、
そこから一筋の
光が差し込んでいた。


「葵ッ!葵ッ!!あおッ…!!」


必死に手を伸ばす。
その手が光に触れた瞬間、
アリスは





夢から覚めた。



< 215 / 313 >

この作品をシェア

pagetop