あの日の雪を溶かすように


「君たちは、どうしてここに来た?
ここは、この時間滅多に人が来ないんだよ。」


「ああ、夜景見に来たんすよ。
ここの連絡通路から見える夜景。
マジ、キレイだったすから。」


あ〜、と、納得しながら駅員は二階を見上げ、
そうだね、と笑ってみせた。


それから、ゆっくりと近くのベンチに、
白い箱を置いた。



< 276 / 313 >

この作品をシェア

pagetop