あの日の雪を溶かすように


「結局、それ、なんなんですか?」


「…コレね。
話すと長いよ。
終電、出ちゃいますよ。」


「じゃあ、ギリまででイイから、教えて下さいよ。」


「…」



駅員は白い箱の隣に腰掛けて、
まるでその箱を子供のように撫でると、
ゆっくりと話し始めた。



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