あの日の雪を溶かすように

「ほら、ここ。
書いてるでしょ。名前…」

白髪の駅員が
小さな箱の隅を指差した。

そこには
下手くそだけど、
雑な文字で、確かに書いてあった。




「アリスへ」






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