あの日の雪を溶かすように



駅の白線の手前で
もう一度振り向き、
何かを呟いたが、
迫る電車の音が全てを掻き消した。




「…!アリスッ!!」



雪が溶けるより遅く、

雪が積もるより早く、

雪が舞うより遅く、

雪が止むより早く、




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