あの日の雪を溶かすように
「…でも、やっぱり心配だ。僕にだって、責任がある。
僕に出来ることがあれば、何でもするつもりだ。」

アリスの思惑とは裏腹に、
彼はどうやらまだここに居座る気らしい。

ぁあ、もう。

「そうだ。きみに拾ってもらったもの。うちの子供の、クリスマスプレゼントなんだけど…」
そう言って男はポケットを探り出した。



まだクリスマスまでけっこうあるよね。

こんなに早くから買うんだ。最近は。

…もしかして、私ん家がおかしかったのか。

当日買うって、よく考えたらけっこう無理がある。

普通は何週間か前から買うもんなんだ。きっと。

…そうすれば、あんなことには  ならなかったかな。
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