あの日の雪を溶かすように
ほら。

私は冷静だ。

当たり前だろ。
こんな下らないことで、泣くわけない。

どうせクリスマスの日に、死のうと思ってたんだ。

ちょうど良かった、ッてね。

ハハ…。

……。


…静か過ぎるよ…。




ねぇ。

なんでかな。


私には、もう失くすものなんてないのに。

だって、そう。

…大好きだったお母さんは、死んだ。


信じてた人にも裏切られた。



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