あの日の雪を溶かすように
葵は本当に優しい。気の重くなる返事だったはずなのに、
一拍もおかずにすぐ返事をかえしてくれた。
「あぁ、全然いいっすよ!気にしないでください!!自分が勝手に盛り上がってただけだし。
アハハ、あたしキモッ。…いやいや、まじ、全然あたしはダイジョブっす!
そんなことより、先輩のほうがほんとにダイジョブなんすか?
今日はゆぅっくりっ! 休まないとダメっすよ!!」

「…うん。ありがと。葵。」
彼女と喋っていると、ほんとに元気が沸いてくる。そんな気が、アリスにはしていた。
  
「…アハハっ!さっきまで誘ってた奴にいわれたくねぇってカンジすよね。
じゃあ、今度絶対に飲みましょうね!!また明日電話しまっす!!」

アリスが自分を未成年だと主張する一歩手前で電話は切れた。



急に静かになった気がする。
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