あの日の雪を溶かすように
でもまぁ、なんだかんだで涙はこらえたし、いっか。

いつの間にかまた考え事をしていると、アリスの電話が、
また、鳴り出した。

今度はすぐ近くにあったので、早く取れた。

ガチャッ

「はい」
アリスが表示を見らずに電話に出た為、無骨な挨拶になったが、返事の声には、聞き覚えがあった。

「先輩っ!!すいませんっ!!何度も何度もっ!!聞き忘れたことがあったんすよ!
先輩、明日のバイトどーするんだろって思って…。ほんとにすいません!!」

「葵!?」
電話は葵からだった。一度の電話で用件を済ませきれないのも、
非常に葵らしい。

「はい…マジすんません…もしかして、起こしちゃいました…?」

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