あの日の雪を溶かすように
「先輩の無事、退院を祝ってー…」
二人はさっとビールを持った手を掲げる。…アリスは少しだるそうにだったが。

「カンパーイ!」
カチャン。とグラスがいい音をたてた。

ぐいぐいっと二人は同時に飲み始める。次に吐く嘆息は、おそらく全国共通だろう。

「…かぁーぁあ…ぅんめぇええー!」
葵がかましてくれた。

「…君はオッサンか。」
すかさず冷静なアリスは突っ込む。

いいコンビだ。アリスは認めないだろうが。

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