あの日の雪を溶かすように
「ってか、前から気になってたんですけど、何で先輩はケイタイ買わないンすか?
今は皆当たり前に持ってるし…それにあったらあったで色々と便利ですよ?」

「んー?んー…だって必要ないし。
ぶっちゃけ家の電話だってホコリかぶってんのに。」

「でもでもッ!ケイタイ持ってたら友達とかも増えますし、
あると無いとじゃ、人生も変わってきちゃうかもですよ?」

「友達はもういらないよ。
葵一人でも疲れんのに。」

「アッ!先輩、それヒドイっす!泣きますよ!?」

「出来るだけ離れて泣いてな。」

「……」

「…ちょっ、ちょっとセンパァイ!待ってくださいって!」

そんなやりとりをしている内に、二人はコンビニに着いた。


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