あの日の雪を溶かすように
「…」

「せっ、先輩!何黙ってんすか!ほらっ!
何でもいいから、早く、返事返事ッ!」
葵が小声でアリスを呼び戻した。

ハッとしたアリスだったが、何を言えばいいか、
何故か迷ってしまった。意味も無く緊張までしてきた。

何だ、コレ?

何で私が緊張しなきゃなんないの?

早く何か言わなきゃ、誤解される。

その思いがアリスを思い切り焦らせる。

「ハハっ。何だ、緊張してんの?ってか、
それって俺のこと好きだから?」

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