あの日の雪を溶かすように
「ハァッ、ハアッ…ごめん。待たせたかな?」

アリスは首を横に振る。
葵は雑誌を開いて、こっちを見ている。

「なら良かった。」
そう言うのと同時に彼は連れて来た男の襟を
ぐっと掴んで前に突き出した。

「こいつが、バイクでアンタを轢いたんだ。」

「えっ?」

確かに。言われてみればこんな男だった気がする。
ちょっと小柄で、金髪。あの時もノーヘルだった。

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