犬猫系彼氏との付き合い方


すると突然呑気な声が響く。


「あれ、優菜じゃん
そんなところで何やってんの」

「っ!先輩!」

「あれ、そこの君、俺の彼女に何やってんの?ん?」


先輩は私たちのところへ来ると、佐野くんの手から私を解放し、自分の腕の中に収めた。


「だめだよ、俺の物に手ぇ出しちゃ
……殺しちゃうよ?」


私に抱きつきながらそんなことを言う先輩の声色はとても冷たく、怖かった。


犬のように甘えながら猫のように鋭い先輩は、犬猫系だ。

< 12 / 35 >

この作品をシェア

pagetop