犬猫系彼氏との付き合い方
ガラ-ンガラ-ン……
協会で挙げることになった式では、大きな鐘の音が響き渡る。
開けられたドアから、神殿の目の前まで伸びる赤い絨毯の上を歩きながら、遠くに見える先輩を見つめる。
目の前に来た時には、優しい笑みを浮かべていて思わず私も笑顔になる。
「汝は病める時も〜」
神父の声が響き、いよいよ式が始まったんだと自覚する。
客席に目を通すと、お父さんとお母さんかうっすら涙を浮かべながら笑っていた。
「優菜」
先輩に小声で呼ばれ、考え事を中止すると、音羽ちゃんが運んできた指輪を、お互いにはめ合う。
「では、誓のキスを」
神父の声が響くと同時に、先輩は私の右頬にキスをした。