地味っコ×クラスの中心
転入生 1
私はクラスの隅っこだ。
周りのキラキラ輝いてる可愛い女の子とは違う。眼鏡をかけていて本を好きだから本を読んでる。
そんな地味で暗い生活を送っている。
前から人が苦手で自分からくっついていこうとは思わなかった。勿論彼氏なんて居ない。作ろうとも思わない。
そんな私が居るクラスに一人の男のコが転校してきた。
「えっと、立花悠斗!東京からきたよ〜宜しく!」
顔もそこそこ良くて、明るい。
そんな彼の席には直ぐに女子皆が群がった。私以外のクラスの女子は、だけど。
私は立花君…?の隣の席なんだけど話す気は無い。どっちかというと苦手だった。
なのに
「んーと、春川さんだよね!学校案内してほしいんだけど…良いかな?」
と、明るく話しかけられた。
本を読んでいた私にとってとても迷惑でしかなかった。
そこらの女子は喜ぶんだろうけど…。
対してクラスで口を開かない私は返事すらまともに出来なかった。
「うっ……うんっ…」
俯くように下を向けば相手の手が私の頭の上に置かれた。振り払う勇気もなく固まってしまって、周りの女子は鋭い目つきでこちらを見ていた。
立花君はそれに気づいていない様子。
「……立花君、行こう。」
勇気を振り絞り声を出せば相手の腕を引っ張り教室を出た。
廊下でも隣の彼は目立つばかりだった。
隣にいるのが辛いくらいに私は目立たない奴なんだ。周りの人の声が耳に入るばかり。
「何であの子にしたんだろ…。」
「え、目立ってなかった奴じゃん。何で立花君あんなの隣に置いてるんだろ。」
「引き立て役じゃね?」
大きな笑い声が私の頭に響く。
そんな中立花君は、小さな声でこう言った。
「気にしちゃだめだからね。」
柔らかくてどこか優しげな声に私は安心してしまっていた。苦手なタイプなのにな、声ってすごい。感心しながらうん、と返事をして俯いた。
「さ、案内して貰おうかな!」
横で肩を回す彼の表情はとても純粋で優しい感じだった。
今思った。何で私に頼んだのだろう。女子なら周りにいっぱいいるじゃないか。
あえての何で私なんだ。お気に入りの本を読んでいたのに。
まぁいいか。と自分の中で済ませれば学校案内を進めていった。
「ありがとね、優姫ちゃん!あと俺のこと悠斗でいいから!」
案内中に何故か名前で呼ばれるようになった。そして好きな音楽の話もした。意外にも同じ趣味でびっくりしたけど案外良い人らしい。
「うん、悠斗君ね…。」
微笑みかけたら相手は顔を背けた。
名前間違ってたのかな、と思い俯いたら相手の震えた声が返ってきた。
「う、うん…そうだ、よ……」
口元を片手で押さえてるから笑いでも堪えてるのかな?と思い目を合わせてみるとすごい真っ赤だった。
何で照れてるかは分からないものの声が震えている理由は分かった。
「あのさ…もっとクラスでも喋ったら?」
ヘラヘラと笑いながら彼は言った。
それはどういう意味で言ったんだろう。
もっと明るくなれってこと?
地味だって言いたいの?
「……悠斗君に関係無い。」
余計なお世話だよ、そう思い睨み付けて悠斗君に背を向けて教室と逆の方向へ歩いた。後ろから呼び止める彼の声も聞こえたけど…そんなのどうでもいいよね。
気付けば私はいつもの場所に来ていた。
「孝…」
「お〜…ってどうしたんだよいきなり」
宮下孝、私の従兄妹。
いつも屋上にいる。だから私は何かあったときここにきているのだ。
事情も言わずに抱きついた私に孝は戸惑った。まぁ、これも受け止めてくれるんだけど。
私にとっては兄みたいなものだった。家も隣でいつも側にいてくれる人。
「なにがあったんだよ。言ってみろ」
優しく私の頭を撫でた孝の手は悠斗君とは全然違った暖かさを持っていた。
周りのキラキラ輝いてる可愛い女の子とは違う。眼鏡をかけていて本を好きだから本を読んでる。
そんな地味で暗い生活を送っている。
前から人が苦手で自分からくっついていこうとは思わなかった。勿論彼氏なんて居ない。作ろうとも思わない。
そんな私が居るクラスに一人の男のコが転校してきた。
「えっと、立花悠斗!東京からきたよ〜宜しく!」
顔もそこそこ良くて、明るい。
そんな彼の席には直ぐに女子皆が群がった。私以外のクラスの女子は、だけど。
私は立花君…?の隣の席なんだけど話す気は無い。どっちかというと苦手だった。
なのに
「んーと、春川さんだよね!学校案内してほしいんだけど…良いかな?」
と、明るく話しかけられた。
本を読んでいた私にとってとても迷惑でしかなかった。
そこらの女子は喜ぶんだろうけど…。
対してクラスで口を開かない私は返事すらまともに出来なかった。
「うっ……うんっ…」
俯くように下を向けば相手の手が私の頭の上に置かれた。振り払う勇気もなく固まってしまって、周りの女子は鋭い目つきでこちらを見ていた。
立花君はそれに気づいていない様子。
「……立花君、行こう。」
勇気を振り絞り声を出せば相手の腕を引っ張り教室を出た。
廊下でも隣の彼は目立つばかりだった。
隣にいるのが辛いくらいに私は目立たない奴なんだ。周りの人の声が耳に入るばかり。
「何であの子にしたんだろ…。」
「え、目立ってなかった奴じゃん。何で立花君あんなの隣に置いてるんだろ。」
「引き立て役じゃね?」
大きな笑い声が私の頭に響く。
そんな中立花君は、小さな声でこう言った。
「気にしちゃだめだからね。」
柔らかくてどこか優しげな声に私は安心してしまっていた。苦手なタイプなのにな、声ってすごい。感心しながらうん、と返事をして俯いた。
「さ、案内して貰おうかな!」
横で肩を回す彼の表情はとても純粋で優しい感じだった。
今思った。何で私に頼んだのだろう。女子なら周りにいっぱいいるじゃないか。
あえての何で私なんだ。お気に入りの本を読んでいたのに。
まぁいいか。と自分の中で済ませれば学校案内を進めていった。
「ありがとね、優姫ちゃん!あと俺のこと悠斗でいいから!」
案内中に何故か名前で呼ばれるようになった。そして好きな音楽の話もした。意外にも同じ趣味でびっくりしたけど案外良い人らしい。
「うん、悠斗君ね…。」
微笑みかけたら相手は顔を背けた。
名前間違ってたのかな、と思い俯いたら相手の震えた声が返ってきた。
「う、うん…そうだ、よ……」
口元を片手で押さえてるから笑いでも堪えてるのかな?と思い目を合わせてみるとすごい真っ赤だった。
何で照れてるかは分からないものの声が震えている理由は分かった。
「あのさ…もっとクラスでも喋ったら?」
ヘラヘラと笑いながら彼は言った。
それはどういう意味で言ったんだろう。
もっと明るくなれってこと?
地味だって言いたいの?
「……悠斗君に関係無い。」
余計なお世話だよ、そう思い睨み付けて悠斗君に背を向けて教室と逆の方向へ歩いた。後ろから呼び止める彼の声も聞こえたけど…そんなのどうでもいいよね。
気付けば私はいつもの場所に来ていた。
「孝…」
「お〜…ってどうしたんだよいきなり」
宮下孝、私の従兄妹。
いつも屋上にいる。だから私は何かあったときここにきているのだ。
事情も言わずに抱きついた私に孝は戸惑った。まぁ、これも受け止めてくれるんだけど。
私にとっては兄みたいなものだった。家も隣でいつも側にいてくれる人。
「なにがあったんだよ。言ってみろ」
優しく私の頭を撫でた孝の手は悠斗君とは全然違った暖かさを持っていた。